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社交不安障害の薬について正しく知ろう|不安を和らげるための選択肢

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人前で話すと緊張してしまう、知らない人と接すると極度に不安になる―こうした症状が続く場合、社交不安障害の可能性があります。

治療法のひとつとして薬物療法が用いられることも多く、不安の軽減や日常生活の改善に役立っています。しかし、薬には種類や特徴があり、副作用や服用上の注意点も存在します。そこでこの記事では、社交不安障害に使われる薬の種類や治療の流れ、副作用、注意点などを詳しく解説していきます。

目次

社交不安障害における薬物療法とは?

社交不安障害における薬物療法とは?

社交不安障害の治療では、薬物療法が有効な選択肢のひとつとされています。不安や緊張を和らげ、日常生活を送りやすくするために、薬が処方されることがあります。ただし、薬だけに頼るのではなく、心理療法との併用が勧められるケースも少なくありません。ここでは、薬物療法の役割や、処方にあたっての医師の判断基準について解説します。

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心理療法と薬物療法の併用効果について

社交不安障害の治療では、認知行動療法(CBT)などの心理療法が基本とされます。考え方や行動のクセを修正し、不安に対する耐性を高めるアプローチです。

一方、薬物療法は脳内の神経伝達物質のバランスを整え、不安感そのものを軽減する働きがあります。薬を使うことで、不安や緊張が和らぎ、心理療法に取り組みやすくなるというメリットもあります。併用によって治療の相乗効果が期待できるため、多くのケースで両者を組み合わせた治療が行われています。

社交不安障害の薬が処方される医師の判断基準とは

薬物療法を行うかどうかは、症状の重さや日常生活への影響度、患者の希望などを総合的に考慮して判断されます。

たとえば、人前での発表や会食など特定の場面だけで強い不安が出る場合と、日常の多くの場面で常に不安を感じる場合とでは、処方される薬の種類や治療方針も異なるでしょう。

また、過去の治療歴や他の精神的な疾患の有無、副作用への耐性なども重要な判断材料です。医師はこうした点を丁寧に確認しながら、その人に合った薬を選択していきます。

社交不安障害に使われる主な薬の種類

社交不安障害に処方される薬は、大きくいくつかのタイプに分類されます。不安や緊張を和らげる作用は共通していますが、薬ごとに働き方や副作用の出方が異なります。ここでは、代表的な薬の種類とその特徴について解説します。

  • SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
  • SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
  • ベンゾジアゼピン系抗不安薬
  • β遮断薬(人前での動悸や震えを抑える目的で使用)
  • その他の補助的な薬(抗うつ薬、抗精神病薬など)

それぞれの薬の特徴について見ていきましょう。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、社交不安障害の薬物療法で最も広く使用されている薬のひとつです。脳内の神経伝達物質であるセロトニンの働きを高め、不安や緊張感を軽減します。効果が現れるまでには数週間かかることが多いですが、長期的に服用することで安定した改善が期待できるでしょう。

代表的な薬には「パキシル」「ルボックス」「ジェイゾロフト」などがあります。比較的安全性が高く依存性が少ないとされていますが、服用初期に吐き気や眠気、頭痛などの副作用が出ることもあります。こうした副作用は徐々に軽減するケースが多いため、医師の指示に従いながら継続することが大切です。

SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)は、SSRIと似た作用を持ちながら、さらにノルアドレナリンの働きも調整する薬です。不安感だけでなく意欲低下や抑うつ傾向を伴う場合に処方されることが多くなっています。

代表的な薬には「サインバルタ」「トレドミン」などがあり、SSRIに比べて活力を引き出す効果が期待される一方で、人によっては動悸や口の渇き、血圧の上昇といった副作用が現れることがあります。体質や症状に応じて、SSRIかSNRIのいずれか、または併用が検討される場合もあるでしょう。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、不安や緊張を速やかに和らげる即効性の高い薬です。脳の神経の興奮を抑える働きがあり、服用後30分〜1時間ほどで効果を実感できる場合もあります。

代表的な薬には「ソラナックス」「デパス」「ワイパックス」などがあります。急なプレゼンや会食など、特定の状況で強い不安を感じる人に短期的に使われることが多いです。ただし、依存性や耐性が生じやすいため、長期間の常用は慎重に検討されます。

使用する際は、医師と十分に相談しながら適切な服用量・期間を守ることが重要です。

β遮断薬(人前での動悸や震えを抑える目的で使用)

β遮断薬はもともと心臓や血圧の治療に使われてきた薬ですが、社交不安障害の一部症状にも有効です。主に、人前で話すときに起こる動悸や手の震え、発汗などの身体症状を抑える目的で使われます。

代表的な薬には「プロプラノロール(インデラル)」があります。精神的な不安感そのものを直接和らげるわけではありませんが、身体症状が軽減されることで自信を持って行動しやすくなるケースもあるでしょう。

高血圧や心疾患がある人は慎重に使用する必要があるため、必ず医師の指導を受けて使用してください。

その他の補助的な薬(抗うつ薬、抗精神病薬など)

社交不安障害の治療において、SSRIやSNRIだけで効果が不十分な場合や、症状が複雑な場合には、他の薬が併用されることもあります。

たとえば、三環系抗うつ薬(トリプタノールなど)は古くから不安症状にも使われており、一定の効果が期待できます。また、不安が極度に高まるケースでは、非定型抗精神病薬(セロクエルなど)が少量処方されることもあるでしょう。これらの薬は副作用の種類や強さが異なるため、使用の際は医師の細かな管理が必要です。

うつ病の薬については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

うつ病の薬とは?種類や効果、副作用、処方の流れを徹底解説

社交不安障害の薬を使った治療の流れ

社交不安障害の薬を使った治療の流れ

薬による治療を始める際には、診察から処方、服用開始後の経過観察まで、いくつかの段階を踏んで進んでいきます。事前に流れを知っておくことで、不安なく治療を受けやすくなるでしょう。

  1. 初診で症状を伝え、診断を受ける
  2. 治療方針が決まり、薬の選択が検討される
  3. 少量から服薬を開始し、副作用に注意しながら調整
  4. 継続的に通院し、効果と副作用をチェック
  5. 症状が安定すれば減薬や中止を検討する

ここでは、実際の治療のプロセスを順に紹介します。

1. 初診で症状を伝え、診断を受ける

まずは医療機関を受診し、自分が抱えている不安や緊張の状況を医師に伝えましょう。人前で話すときの症状や、日常生活への影響度、これまでの経緯などを具体的に話すことが大切です。

診断には医師との問診が中心となりますが、必要に応じて問診票や簡単なスクリーニングテストが行われる場合もあるでしょう。これにより、社交不安障害かどうか、また他の不安障害やうつ病などの併存がないかを慎重に評価します。

2. 治療方針が決まり、薬の選択が検討される

診断結果をもとに、治療の方針が決定されます。軽度の場合は心理療法が優先されることもありますが、症状が強い場合や生活に大きな支障が出ている場合は、薬物療法が採用される場合もあるでしょう。薬を使うかどうかは患者の希望も考慮され、医師とよく相談したうえで決められます。

処方する薬の種類は、不安の強さや頻度、他の疾患の有無、過去の治療歴などを総合的に見て選択されます。

3. 少量から服薬を開始し、副作用に注意しながら調整

薬の服用は、最初から高用量を使うのではなく、ごく少ない量から始めるのが一般的です。これは、副作用の出方や体の反応を慎重に確認するためです。特にSSRIやSNRIでは、初期に吐き気や眠気、軽い頭痛などが現れることがありますが、多くは数日から数週間で落ち着いてきます。

医師は定期的に状態を確認しながら、必要に応じて少しずつ服用量を増やし、適切な量に調整していきます。焦らずゆっくりと体を慣らしていくことが、治療を長く安定して続けるポイントです。

4. 継続的に通院し、効果と副作用をチェック

薬を飲み始めてからは、定期的な通院が欠かせません。服薬を続ける中で、不安感がどの程度改善されているか、日常生活にどんな変化が出ているかを医師に伝えます。同時に、副作用の有無や強さについても報告しましょう。状況に応じて、薬の種類を変更したり、量を増減させたりすることがあります。

治療の経過は人によって異なるため、主治医と密にコミュニケーションを取りながら進めることが重要です。

5. 症状が安定すれば減薬や中止を検討する

薬の効果が安定し、日常生活でも不安がほとんど気にならなくなってきたら、減薬や中止を検討する段階に入ります。いきなり薬をやめると再発や離脱症状が起こる可能性があるため、医師の指導のもとで少しずつ服用量を減らしていきましょう。

減薬のタイミングやスピードは個人差が大きいため、焦らず慎重に進めることが大切です。安定した状態を維持しながら、薬に頼らない生活を目指していきます。

社交不安障害の薬の副作用と対処法

薬による治療は社交不安障害の症状を和らげるうえで大きな助けになりますが、同時に副作用のリスクも伴います。

  • 吐き気|飲み始めに出やすいが、時間とともに軽減
  • 頭痛|服薬初期に感じることがある軽度の症状
  • 眠気|日中の活動に支障が出る場合は医師に相談を
  • めまい・ふらつき|立ちくらみに注意
  • 性機能への影響|相談しづらいが重要な副作用

ここでは、よく見られる副作用とその対処法を解説します。

吐き気|飲み始めに出やすいが、時間とともに軽減

吐き気は、特にSSRIやSNRIを飲み始めた初期に多く見られる副作用です。脳内のセロトニン濃度が急に変化することで、消化器官にも影響が及ぶと考えられています。ただし、この吐き気は服用を続けるうちに体が慣れて自然と軽減していくケースが多いです。

吐き気を抑えるには、薬を食後に服用する、服用時間を就寝前に変更する、薬の種類や量を調整するなどの方法が有効です。つらい場合は我慢せず、早めに医師へ相談しましょう。

頭痛|服薬初期に感じることがある軽度の症状

頭痛もまた、SSRI系の薬を服用し始めた時期によく現れる副作用のひとつです。多くは軽度で一時的なものであり、数日から数週間のうちに自然に治まっていくことがほとんどです。

市販の鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)で対処できるケースもありますが、併用して良い薬かどうかは必ず医師に確認してください。頭痛が長引いたり、痛みが強い場合には、薬の種類や服用量の調整も検討されますので、遠慮せず医師に状況を伝えましょう。

眠気|日中の活動に支障が出る場合は医師に相談を

抗不安薬や一部の抗うつ薬では、服用後に強い眠気を感じることがあります。日中の活動に影響が出るほど眠気が続く場合には注意が必要です。眠気は特に服用開始初期に現れやすいですが、体が薬に慣れてくると軽減することもあるでしょう。

対処法としては、服用する時間帯を夜に変更する、医師の指導のもとで用量を減らす、または別の薬への切り替えを検討することがあります。無理をして我慢するのではなく、日常生活に支障を感じたら早めに医師へ相談しましょう。

めまい・ふらつき|立ちくらみに注意

めまいやふらつきも、社交不安障害の薬の副作用として現れることがあります。これは薬が神経伝達物質に作用することで血圧が変動し、立ちくらみや軽いバランス感覚の乱れが起きるためです。特に朝起き上がるときや急に立ち上がる動作で感じやすくなります。

予防策としては、ゆっくりと体を動かすことや水分をしっかり摂ることが有効です。症状が頻繁に起こる場合は、服用量の調整や別の薬への変更が検討されるため、医師に詳しく伝えましょう。

性機能への影響|相談しづらいが重要な副作用

SSRIを中心とした一部の薬では、性欲の減退や勃起障害、オーガズム障害などの性機能への影響が出ることがあります。こうした副作用は服用を続ける中で長期間続く場合もあり、患者本人が悩みを抱え込みやすい部分です。しかし、決して珍しい副作用ではなく、医師も日常的に相談を受ける内容です。

薬の変更や追加治療によって改善が可能なケースもあるため、遠慮せず率直に主治医へ相談することが重要です。

社交不安障害の薬に関するよくある質問

薬による治療を検討する中で、多くの人が不安や疑問を感じます。ここでは、社交不安障害の薬にまつわる代表的な疑問について解説します。

薬に頼るのはよくない?

「薬に頼るのは甘えなのでは?」と感じる人も少なくありません。

しかし、社交不安障害は脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることで生じる病気です。薬はこのバランスを整え、不安を和らげるための治療手段の一つです。糖尿病や高血圧と同じように、体の状態を整える目的で薬が使われます。症状を改善させ、心理療法などの他の治療法に取り組みやすくする意味でも、薬の活用は重要な選択肢といえるでしょう。

社交不安障害の薬は一生飲み続けなければいけない?

必ずしも一生飲み続ける必要があるわけではありません。症状が安定し、日常生活を問題なく送れるようになれば、医師と相談しながら徐々に減薬・中止を検討することが可能です。社交不安障害は再発のリスクもあるため、医師の管理のもと慎重に判断することが大切ですが、長期間の服用が絶対条件ではありません。治療の進行に応じて柔軟に対応できます。

副作用が強すぎて生活できないのでは?

副作用は薬の種類や体質によって現れ方が異なります。確かに、上記で紹介したように吐き気や眠気、頭痛などが強く出ることもありますが、多くは服用を続けるうちに軽減していくものです。

また、医師は副作用の出方を見ながら薬の種類や用量を調整してくれます。我慢せずに副作用をしっかり医師に伝えることで、安全に治療を継続する方法を一緒に検討できます。

市販薬やサプリで代用できる?

市販の安定剤やサプリメントで社交不安障害を改善しようとする方もいますが、基本的にこれらで本格的な治療効果を得るのは難しいとされています。ビタミン剤やハーブ系サプリが一時的にリラックス感を与えることはあっても、病態の根本的な改善には至りません。むしろ自己判断での服用は危険を伴う場合もあります。治療は必ず専門の医師のもとで進めることが大切です。

社交不安障害にお悩みの方はみつだクリニックにご相談ください

みつだクリニック

社交不安障害の治療は、ひとりで悩み続けるよりも、専門医に相談することが回復への大きな一歩になります。

社交不安障害に対する薬物療法は、不安を和らげ日常生活を取り戻すための有力な治療法です。SSRIやSNRI、抗不安薬などさまざまな薬があり、症状や体質に合わせて選択されます。副作用への注意は必要ですが、医師と相談しながら適切に治療を進めれば、多くの方が症状の改善を実感しています。不安を感じたときは、一人で抱え込まず、専門医へ相談することが回復への近道です。

大阪府茨木市にあるみつだクリニックでは、社交不安障害をはじめとする不安障害や心の不調に幅広く対応しています。症状やお悩みを丁寧にお伺いし、薬物療法だけでなく、心理療法や生活面のアドバイスも含めた総合的な治療をご提案いたします。

薬についての不安や疑問も遠慮なくご相談ください。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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