生理前にイライラするのはなぜ?原因やPMSとの関係、対処法を解説
生理前になると、「普段なら気にならないことでイライラする」「家族やパートナーに強く当たってしまう」と悩むことはありませんか。自分でも感情を抑えられず、後から落ち込んでしまう人もいるでしょう。
生理前に繰り返し現れるイライラには、PMS(月経前症候群)が関係している可能性があります。この記事では、生理前にイライラする原因や時期、症状をやわらげるためのセルフケアや食事方法について解説します。イライラがひどい場合に考えられるPMDDの可能性や、医療機関を受診する目安についても紹介します。
生理前にイライラするのはなぜ?
生理前にイライラする原因は、月経周期に伴う女性ホルモンの変動が関係していると考えられています。排卵後から月経までの黄体期には、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンが分泌され、黄体期の後半になると急激に低下します。この変化によって脳内のホルモンや神経伝達物質のバランスにも影響が及び、イライラや気分の落ち込みなどの精神的な不調が現れると考えられています。
また、ストレスなどさまざまな要因が重なることで、症状に影響することもあります。
生理前のイライラはPMSの症状の一つ
生理前に繰り返しイライラする場合、PMS(月経前症候群)の症状として現れている可能性があります。
PMSとは、月経前に現れる心身のさまざまな不調のことです。精神的な症状には、イライラのほか、気分の落ち込みや不安、集中力の低下、不眠・眠気などがあります。また、身体的な症状としては、頭痛や腹痛、むくみ、乳房の張りなどが挙げられます。
PMSの症状と対処法については、以下の記事で詳しく紹介しています。
『PMSの症状を解説|いつから現れる?セルフチェックや対処法も紹介』
生理前のイライラはいつからいつまで続く?
PMSによるイライラなどの症状は、一般的に月経が始まる3〜10日ほど前から現れ、月経が始まると軽くなったり、なくなったりするのが特徴です。
ただし、症状が現れるタイミングには個人差があり、1週間ほど前から気になり始める人もいれば、さらに早い時期から不調を感じる人もいます。
生理前のイライラを抑える方法
生理前のイライラが気になる場合は、まず日々の生活の中で取り入れられるセルフケアから始めてみましょう。主な方法は以下の3つです。
- 生理周期とイライラする時期を記録する
- 十分な睡眠と休息を取る
- 適度に運動する
それぞれ詳しく紹介します。
生理周期とイライラする時期を記録する
生理前のイライラに対処するためには、生理周期と症状が現れる時期を記録することが大切です。手帳やスマートフォンのアプリなどを使い、生理が始まった日だけでなく、イライラした日や症状の程度、その日にあった出来事なども記録してみましょう。
記録を続けると、「生理の1週間ほど前になるとイライラしやすい」など、自分の症状のパターンを把握しやすくなります。
十分な睡眠と休息を取る
生理前は、できるだけ十分な睡眠と休息を確保することを意識しましょう。睡眠不足やストレスが重なると、心身の調子が崩れ、イライラを強く感じることがあります。普段から睡眠時間を確保するとともに、疲れているときは無理をせず休む時間を作ることが大切です。
特に、生理周期を記録してイライラしやすい時期がわかっている場合は、その時期に予定を詰め込みすぎないなどの工夫もできます。自分がリラックスできる時間を意識的に確保し、心身を休ませましょう。
適度に運動する
ウォーキングやストレッチなど、無理なく続けられる適度な運動を生活に取り入れることも、生理前のセルフケアの一つです。体を動かすことは気分転換になり、ストレス解消にもつながります。運動習慣がない場合でも、散歩をしたり、通勤時に少し多めに歩いたりするなど、できる範囲から始めてみましょう。
生理前に体調がすぐれないときは、無理に激しい運動をする必要はありません。その日の体調に合わせて、心地よいと感じる程度の運動を取り入れることが大切です。
生理前のイライラをやわらげる食事方法
生理前のイライラが気になるときは、睡眠や運動だけでなく、普段の食生活を見直すことも大切です。生理前に意識したい食事のポイントは、以下の4つです。
- 食事を抜かず規則正しく食べる
- タンパク質や野菜をバランスよく取り入れる
- カフェインやアルコールの摂りすぎに注意する
- マグネシウムやカルシウムを含む食品を取り入れる
日々の食事で意識したいポイントを順に見ていきましょう。
食事を抜かず規則正しく食べる
忙しいからと朝食や昼食を抜いたり、空腹の状態が長く続いた後に一度にたくさん食べたりするのではなく、できるだけ規則正しく食事を取ることを心がけましょう。
特に、お菓子や菓子パン、甘い飲み物だけで食事を済ませるのではなく、1日を通して食事の間隔が大きく空きすぎないようにすることが大切です。毎食完璧に整えようとすると負担になってしまうため、まずは食事を抜かず、できるだけ決まった時間帯に食べることから意識してみましょう。
タンパク質や野菜をバランスよく取り入れる
肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク質や、野菜などをバランスよく取り入れることが大切です。たとえば、パンやおにぎりだけで食事を済ませることが多い場合は、卵やヨーグルトなどのタンパク質を含む食品や、野菜、汁物などを加えるとよいでしょう。生理前だけ食事を大きく変えるのではなく、日頃から栄養バランスを意識することがポイントです。
カフェインやアルコールの摂りすぎに注意する
生理前のイライラが気になる場合は、コーヒーなどに含まれるカフェインやアルコールを摂りすぎないようにしましょう。普段からコーヒーやエナジードリンクなどを多く飲んでいる人は、生理前は量を控えめにすることを意識してみてください。アルコールについても、飲む量や頻度が多い場合は、できる範囲で控えるとよいでしょう。
マグネシウムやカルシウムを含む食品を取り入れる
生理前の食事では、マグネシウムやカルシウムを含む食品も意識して取り入れましょう。マグネシウムは豆類や海藻、ナッツ類など、カルシウムは牛乳・ヨーグルトなどの乳製品や小魚、大豆製品などに含まれています。
参考:月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS) - 公益社団法人 日本産科婦人科学会
生理前のイライラや不調に用いられる薬
生理前のイライラや身体的な不調がつらい場合には、症状に応じて薬が用いられることもあります。
ただし、症状によって適した薬は異なります。薬を使用する際は、添付文書を確認し、持病がある場合やほかの薬を服用している場合は医師や薬剤師に相談することが大切です。
特に、頭痛や腹痛に用いる鎮痛薬と、PMSによるイライラなどに用いられることがある漢方薬では目的が異なるため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
鎮痛薬
生理前のイライラとあわせて、頭痛や腹痛などの身体症状が現れる場合には、痛みに対して鎮痛薬が用いられることがあります。鎮痛薬はイライラそのものを抑えるための薬ではなく、PMSに伴う頭痛や腹痛などの痛みをやわらげるために使用されます。
漢方薬
PMSによるイライラなどの症状に対しては、漢方薬が用いられることがあります。漢方薬は、現れている症状だけでなく、体質や全身の状態も踏まえて選ばれるのが特徴です。
PMSに対してよく用いられる漢方薬には、たとえば以下のようなものがあります。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
生理前のイライラがひどい場合はPMDDの可能性もある
生理前のイライラが非常に強い場合は、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性もあります。
PMSとPMDDでは、症状の現れ方や日常生活への影響に違いがあります。それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
PMSとPMDDの違い
PMSとPMDDはいずれも月経前に症状が現れますが、PMDDでは特に精神的な症状が強く現れることが特徴です。
PMSでもイライラや気分の落ち込み、不安などはみられます。一方、PMDDでは強いイライラや怒り、抑うつなどによって、仕事や学校へ行けない、人間関係を維持するのが難しいなど、日常生活に大きな支障が生じることがあります。
PMDDについてのより詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。
『PMDDの症状とは?セルフチェック方法や病院での治療法を解説』
生理前のイライラで病院を受診する目安
生理前のイライラが強く、仕事や日常生活、人間関係などに影響が出ている場合は、医療機関への相談を検討しましょう。受診を考える主な目安として、以下のような状態が挙げられます。
- イライラで仕事や日常生活に支障が出ている
- 家族やパートナーとの関係に影響が出ている
- イライラや気分の落ち込みを自分で抑えられない
イライラで仕事や日常生活に支障が出ている
イライラが強く、仕事や家事、学校など普段の生活に支障が出ている場合は、医療機関への相談を検討しましょう。
たとえば、生理前になると集中できず仕事が進まない、怒りっぽくなって職場でトラブルが増える、家事や外出が難しくなるといった状態が毎月繰り返される場合です。
「生理前は誰でもイライラするから」と我慢し続ける必要はありません。症状によって普段通りの生活を送ることが難しくなっていること自体が、受診を考える一つの目安になります。
家族やパートナーとの関係に影響が出ている
生理前になると家族やパートナーの何気ない言動に強く反応し、怒鳴ったり、きつい言葉をぶつけたりしてしまうこともあります。その結果、毎月同じような時期に喧嘩を繰り返したり、関係が悪化したりしている場合は注意が必要です。
特に、本人も感情をコントロールできず、後から強く後悔するような状態が続いている場合は、精神症状が強く現れている可能性があります。
イライラや気分の落ち込みを自分で抑えられない
生理前のイライラや気分の落ち込みが強く、自分で感情をコントロールすることが難しい場合も、受診を考える目安になります。具体的には、普段なら気にならないことで激しく怒ったり、突然涙が出たり、強い不安や落ち込みを感じたりするなどの症状がみられます。こうした精神的な症状が強い場合は、一人で抱え込まず医師に相談してください。
生理前のイライラは何科を受診すればいい?
生理前のイライラについて相談する場合は、症状の現れ方に応じて婦人科や心療内科・精神科が受診先になります。それぞれどのような場合に受診を検討するとよいのか、以下で詳しく紹介します。
婦人科
生理前のイライラとあわせて、月経痛や頭痛、むくみ、乳房の張りなど、月経周期に伴う身体的な不調にも悩んでいる場合は婦人科への相談を検討しましょう。
婦人科では、生理周期や症状の現れ方などを確認したうえで、必要に応じた治療が受けられます。治療では、症状に応じて低用量ピルや漢方薬などが用いられることもあります。
心療内科・精神科
イライラや怒り、気分の落ち込み、不安など精神的な症状に悩んでいる場合は、心療内科や精神科への相談も選択肢の一つです。
特に、精神症状が強く仕事や学校、人間関係に支障が出ている場合や、PMDDが疑われる場合は、早めに相談することを検討しましょう。また、生理前以外の時期にも気分の落ち込みやイライラが続いている場合は、PMS・PMDD以外の精神的な不調が関係していることもあります。
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生理前になると強いイライラや気分の落ち込みが現れ、仕事や家庭、人間関係に支障が出ている場合は、一人で我慢せず医療機関に相談することが大切です。
十分な睡眠や休息を取る、適度に運動する、食生活を整えるなどのセルフケアを取り入れても症状がつらい場合は、PMSやPMDDが関係している可能性もあります。
みつだクリニックでは、生理前のイライラや気分の落ち込みなど、精神的な症状について相談できます。毎月繰り返す心の不調に悩んでいる方は、受診をご検討ください。
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まとめ
生理前のイライラには、月経周期に伴う女性ホルモンの変動が関係していると考えられています。毎月、生理前にイライラが現れ、月経が始まると軽くなる場合は、PMSの症状の一つとして現れている可能性があります。
まずは生理周期と症状を記録し、十分な睡眠や休息、適度な運動、バランスのよい食事など、日常生活で取り入れられるセルフケアから始めてみましょう。
一方、イライラや気分の落ち込みが強く、仕事や家庭、人間関係に支障が出ている場合はPMDDの可能性もあります。つらい症状を我慢し続けず、婦人科や心療内科・精神科などの医療機関へ相談しましょう。