自動車運転と精神疾患
大阪府茨木市のみつだクリニックです。
夏休みに入り、これから運転免許を取得していこうという学生の皆さまも多いことかと思います。そこで本日は自動車運転時に気をつけるべき精神疾患のお話をさせていただきます。まずは下記のようなものがあります。
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注意力散漫(注意欠陥・多動性障害、ADHD):ADHDを持つ人は、運転中に集中力がばらつくことがあります。目の前の運転に集中しすぎて周囲への注意が散漫になったり、注意しすぎた反動で後で注意散漫になりやすい傾向があり、運転には注意が必要です。自閉症スペクトラム障害の場合にも同様のことが言えます。
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パニック障害:いちど運転中にパニック発作が突然起こると、これからも運転中に不安や恐怖を感じる可能性があります。パニック障害を抱える場合は、いったんは抗不安薬の服薬などにより体調を整え、運転時にでもリラックスして、けっして悪い予想をしないで済む状態に持っていくことが重要です。
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うつ病:抑うつ症状が強い場合、運転中に意欲や注意力が低下することがあります。症状が軽い場合にはドライブにより気分転換の効果もあるため、ご自分の状態を見極めながら運転をしていただく必要があります。
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睡眠障害:適切な睡眠をとっていないと、運転中に眠気や注意力の低下が生じる可能性があります。運転前に十分な睡眠を確保し、長時間の運転では適宜休憩を取ることが重要です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)では夜間不眠の反動による日中の睡眠発作、またナルコレプシーでも同様の睡眠発作がみられます。その他ADHDでも日中の眠気が出ることがありますので、これらの場合には簡易睡眠検査(ウオッチパッド)やPSGなどによる睡眠検査にて睡眠状態の評価をしておくことが重要と言えます。
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アルコール依存症や薬物使用障害:アルコールや薬物の使用が運転に影響を及ぼすことはよく知られています。運転前には絶対にアルコールや薬物を摂取しないよう心掛けましょう。(現在は反則点数もかなり厳しくなっていることは皆さまご存知とは思いますが。)
運転時に上記のような症状が出てしまう場合には、運転を控えるか、治療を受けて症状を管理することが重要です。運転中に心身の健康を保つためには、安全に運転するためコンディションを整えることが必要です。
上記にてお困りの場合には大阪府茨木市のみつだクリニックにお気軽にご相談ください。
2023.7.24.