認知機能低下予防について
大阪府茨木市のみつだクリニックです。
本日は午後を休診とさせていただき、産業医講習会にて産業衛生につき勉強・情報のアップデートをしてきました。
主な話題は高年齢者の就労に関する話題でした。平成26年に内閣府が行った意識調査「何歳ころまで働きたいですか?」と60歳以上の方に対して行ったアンケート調査では70歳またはそれ以上の年齢まで働きたいという意欲の方が全体の8割であったそうです。また令和3年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法では、70歳までの就業確保を、事業主に努力規定ではありますが、推奨される形となり、今後は定年延長などにより70歳までは働く社会を目指して行く流れになりそうであり、それに伴う産業衛生上の問題点につき講義がなされました。
最近の60代については
・運動習慣や予防医療などの効果もあり筋力など肉体的にはそれほど衰えはない(昔と比べて10歳くらい若い、つまり今の70歳は昔の60歳くらいの体力はある)。
・ただし疲労回復にはどうしても時間がかかるようになる(=十分な睡眠の確保が重要)。
・ガンが発生しやすい年齢ではあるが医療の発達により克服して就労を続ける方が増えた。
・感覚器(視力など)は衰えやすい。
・個人差が大きいが、認知機能(思考、判断力、言語能力、学習能力などの能力を含む、脳の高次機能)の衰えが就労上の問題になりやすい(特にPCスキルなど、求められる技術のアップデートが早くなっているということもあり)。
とのお話でした。60代でも元気に働くためには認知機能低下の予防が重要になってきそうです。
認知機能低下を防ぐためには、
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健康的なライフスタイルの維持:運動やバランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの管理などは、認知機能を維持するために重要です。特に減酒と睡眠はかなり重要だと思います。
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知的な活動の継続:読書、パズル、クロスワード、音楽や絵画などの芸術活動、または新しいことを学ぶことなど、知的な刺激を受けることで脳を刺激し、認知機能を改善することができます。
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社交活動の維持:社交的な人間関係を維持することは、脳の健康にも良い影響を与えます。友人や家族と交流することは、脳を刺激するだけでなく、ストレスや孤独感を軽減することもできます。
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脳トレ:脳トレは、認知機能を維持するための有効な方法です。コンピューターゲームやカードゲーム、トランプや麻雀なども有効だと思います。
また、認知症のリスク遺伝子であるアポE遺伝子の遺伝子検査によりご自身の認知症リスクを早期に知っておくこともかなり有効な対策と考えられます。(当院にて検査可能です。詳細についてはご相談ください)
もちろん働くだけが人生ではありませんが、50代のうちからご自身の体質や習慣を知っておいて、どのような60代を過ごすのかを考えるのが良いのではないでしょうか。
本日のテーマは、しっかり話すとかなり話が長くなりますのでいったんこれくらいにしておこうと思います。また不安点などありましたらお気軽にご相談ください。
2023.4.22.