【HSPあるある7選】人間関係で疲れやすい…繊細さんの特徴と対処法
HSP(Highly Sensitive Person)という言葉をご存知でしょうか。HSPとは、生まれつき感受性が強い人のことを指します。
HSPの人は5人に一人の割合で存在すると言われています。決して珍しい存在ではありませんが、HSPゆえの悩みを抱えている人は少なくありません。
本記事では、HSPの方が体験しがちな「あるある」や、HSPの特性ゆえに人間関係で疲れやすい理由と、疲れを軽減するための対処法についても解説していきます。さらに、HSPならではの強みの活かし方についても触れていきたいと思います。
HSPについてより理解を深め、自分らしく生きるヒントにしていただければ幸いです。
HSPとは
HSPとは「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略で、「とても敏感な人」を意味します。HSPの人は生まれつき感受性が高く、感情や五感の刺激に敏感に反応する気質を持っています。HSPの主な特徴は以下の通りです。
- 感情の起伏が激しい
- 美的感覚が優れている
- 他者の感情を敏感に感じ取る
- 疲れやすい
- 強い刺激を避ける傾向がある
- 創造性が豊か
HSPは全人口の15~20%を占めるとされ、男女比はほぼ同じです。HSPは先天的な気質であり、育った環境に関係なく見られる特性です。
大切なのは、HSPは病気や障がいではなく、一つの「個性」だということです。HSPの特性を理解し、自分らしさを大切にすることが、HSPが生きやすい社会につながります。
HSPの「あるある」7選
HSPの方は刺激に敏感で、他人の感情に影響されやすく、ちょっとしたことで傷つきやすいという特徴があります。そのため、日常生活の中で「こんなことってHSPあるあるだよね」と感じることが多いのではないでしょうか。
本項目では、HSPの方が日常的に体験しがちな「あるある」を7つ厳選してご紹介します。
- 他人の感情に引っ張られやすい
- 人と会うと疲労感が強い
- 空気を読みすぎて疲れる
- 本音を言うのが怖い
- 人間関係で傷つくことが多い
- ペースを乱されると混乱する
すぐ泣いてしまうそれぞれ詳しく見ていきましょう。
1.他人の感情に引っ張られやすい
HSPの人は感受性が高く、他者の感情を敏感に感じ取ります。相手の気持ちに共感しすぎるあまり、自分の感情と区別がつかなくなることがあるのです。例えば以下のような状況が当てはまります。
- 親しい人が落ち込んでいると自分まで落ち込んでしまう
- 怒っている人がいると、その怒りを自分に向けられているように感じる
- SNSで見かけた他人の不幸な出来事に、心を痛めてしまう
HSPにとって、他者の感情に巻き込まれないよう適度な距離を保つのは難しいことです。しかし、自分の感情と相手の感情を分けて認識できるよう意識することが大切です。
相手の立場に立って共感することは素晴らしい力ですが、同時に自分自身の感情も大切にしましょう。
2.人と会うと疲労感が強い
HSPの方は、人と会った後に極度の疲労感を感じることがよくあります。 これは、HSPの特徴である「刺激に敏感」「他人の感情に影響されやすい」ことが関係しています。
HSPの方は、人と接する際に相手の表情や態度、言葉の端々まで注意深く観察し、相手の感情を読み取ろうとします。
また、知らない人と話すのは、HSPにとって大きなストレスとなります。初対面の人と会話する際は、相手にどう思われているか、自分の言動は適切かなど、色々なことを考えてしまい、緊張が高まるのです。
こうした要因により、HSPの人は対人関係でエネルギーを多く消耗するため、人と会った後は疲労を強く感じることが多いです。
3.空気を読みすぎて疲れる
HSPの人は他者の感情を敏感に察知する傾向があります。そのため、周りの空気を読みすぎてしまい、疲れを感じやすいのです。
例えば以下のような状況で、HSPの人は過剰に空気を読んで疲弊しがちです。
- 相手の表情が曇ると「私のせいかな?嫌われたかな?」と考え込む
- 場の雰囲気を悪くしないよう、自分の意見を言えずにいる
- 相手の反応を気にしすぎて、会話に集中できない
HSPにとって、人の感情や反応、場の空気を読むのは本能的な行動です。しかし、それが行きすぎると自分を疲弊させてしまいます。
4.本音を言うのが怖い
HSPにとって自分の本音を人に伝えるのは勇気のいることです。相手から嫌われたり、否定されたりするのではないかという恐れを抱きやすい傾向にあるためです。
HSPの人は相手の反応を敏感に感じ取ります。本音を言った時の相手の表情の変化や言葉のニュアンスから、相手が自分に対してネガティブな感情を抱いているのではないかと不安になることもあるでしょう。争いを好まないHSPの人は、そうした不安から本音を口にするのを避けようとします。
5.人間関係で傷つくことが多い
HSPの人は他人の感情を敏感にキャッチするため、人間関係の中で傷つきやすい傾向があります。 例えば、些細なひとことに深く傷ついたり、欠点を指摘されると落ち込んだりすることはよくあるのではないでしょうか。
HSPの人は自分の感情と同様に、相手の感情にも敏感に反応してしまいます。 そのため、他者からのネガティブな言動に過剰に反応し、深く傷ついてしまうのです。「自分が悪いのかも」「嫌われてしまった」といった思考に陥りやすく、自己否定的になりがちです。
6.ペースを乱されると混乱する
HSPの方は、自分のペースで物事を進めることを好みます。しかし、周りから急に大量の仕事を頼まれたり、急かされたりすると、キャパシティを超える情報処理を強いられ、混乱してしまうことがあります。
一度に多くのタスクを頼まれてパニックになったり、人に見られたり急かされたりすると集中力が途切れてしまったりすることがよく起こります。
7.すぐ泣いてしまう
HSPの特徴の一つに、些細なことでも涙もろくなってしまうことがあります。 HSPの人は感受性が高く、他者の感情を自分のことのように感じ取ってしまいます。嬉しいことがあると一緒に喜び、悲しいことがあると一緒に泣いてしまうのです。
また、HSPの人は自分の感情をコントロールするのが苦手な傾向にあります。喜怒哀楽の感情が湧き上がると、それをうまく処理できずに涙として表出してしまうのです。
さらに、上述したようにHSPの人は疲れやすく、ストレスを感じやすい特性があります。心身の疲労が蓄積すると、感情の起伏が激しくなり、泣きやすい状態になってしまいます。
HSPの涙もろさは、決して恥ずかしいことではありません。自分の感受性の高さを受け入れ、感情と向き合うことが大切です。
HSPが日常生活で疲れる理由
HSPの人は、生まれつき感覚が敏感で刺激を受けやすい特性があります。
以下のような理由から人間関係、恋愛面、仕事面、家庭面、生活面などで疲れやすい傾向にあるのです。
- 感受性が高い
- 共感力が強い
- 刺激に対する過敏性が高い
- 自己肯定感が低い
それぞれの理由について見ていきましょう。
感受性・共感力が高い
HSPの人は感受性が高く、他人の感情に共感しやすい特徴があります。相手の気持ちを察して寄り添おうとする傾向が強く、相手の立場に立って考えることが得意です。
しかし、感受性・共感力が高いことで、周囲の刺激や他者の感情に敏感に反応し、疲弊しやすい傾向にあります。些細な変化も見逃さず、相手に合わせようと必死になるあまり、自分自身を置き去りにしてしまうのです。
感情のコントロールが難しくなり、心身の疲労が蓄積するため、日常生活のあらゆる場面で疲れを感じやすくなることが多いです。
刺激に対する過敏性が高い
HSPの人は、外界からの刺激に敏感に反応する傾向があります。
HSPの特性は、脳の神経系の興奮が長引きやすいことが関係していると言われています。そのため、HSPの人は些細な刺激でも過敏に反応し、疲れやすくなってしまうのです。
例えば、晴天時の日差しや電化製品の音、喫茶店での人々の会話など、普通の人には気にならない環境音も、HSPにとっては圧倒されるほどの刺激になることがあるのです。
HSPの人の中には、こうした刺激のために身体の不調を感じたり、普段の生活に支障をきたしたりする人もいます。
自己肯定感が低い
HSPの人は、他人の表情や些細な変化に敏感で、必要以上に空気を読んでしまいがちです。そのため、遠慮がちな態度を取るうちに、相手を自分より優先する傾向が強くなります。
感受性が強く他人の反応に敏感なことや、ストレスを溜めやすいことなどのHSPの特性は、自己肯定感の低下につながりやすいです。
自分を大切にする気持ちを忘れないようにすることが、HSPの人には特に重要だと言えるでしょう。
HSPが人間関係の疲れを軽減する方法
HSPの方は、日常生活のさまざまな刺激に敏感に反応するため、人間関係でも疲れを感じやすい傾向にあります。そこで、HSPが人付き合いのストレスを和らげるためのポイントをいくつかご紹介します。
- 一人で過ごす時間と空間を確保する
- 相手との適度な距離感を保つ
- 気の合う相手を選んで付き合う
- メディアへの接触時間をコントロールする
- 自分の感情と向き合う
- セルフケアを大切にする
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
一人で過ごす時間と空間を確保する
HSPの方は周囲の刺激に敏感で人と一緒にいると疲れやすいため、一人の時間を十分に確保することが大切です。 そのためには、一人時間の必要性を周りに伝え、無理な誘いは断ることを心がけましょう。
また、週に1日は予定を入れない日を作ったり、自宅以外にも自分だけの居場所を作るのも有効です。 一人になりたいのは、心と体が休養を求めているサインです。 その思いを大切にして、しっかりと休養を取るようにしましょう。
相手との適度な距離感を保つ
HSPは人との距離感に敏感で、近づかれると不快に感じやすいです。これは相手とのパーソナルスペースの違いが原因と考えられます。
適度な距離感を保つためには、以下の点を意識しましょう。
- 自分の心地よい距離感を把握する
- 相手の距離感も尊重する
HSPが人間関係を円滑にするには、自分と相手双方の距離感を大切にしながら、上手にコミュニケーションを取りましょう。
物理的な距離だけでなく、精神的な距離感も大切にすることが、HSPが人間関係の疲れを軽減するポイントです。
気の合う相手を選んで付き合う
HSPの人は感受性が高く、人間関係の摩擦を避けたがる傾向があります。そのため、HSPにとって気の合う相手を選ぶことは重要です。
HSPの特性を理解してくれる人を選んで付き合いたいものですが、完璧な人はいません。大切なのは、お互いの価値観が合うことです。人生において何を大事にしたいか、相手と価値観を共有できるかがポイントになるでしょう。 お互いを認め合い、思いやりの心を持てる相手と付き合うことが、HSPにとって心地よい人間関係を築く鍵となります。
メディアへの接触時間をコントロールする
HSPの方は、ニュースや感情を揺さぶられる情報に触れることで、ストレスを感じやすい傾向があります。 特にSNSは刺激的な情報であふれており、HSPにとっては疲労感の原因となりがちです。
HSPが人間関係の疲れを軽減するためには、メディアとの適切な距離感を保つことが大切です。 具体的には以下のような工夫をしてみましょう。
- 1日のSNS利用時間に上限を設ける
- 就寝前のメディア接触は避ける
- ネガティブな情報に触れすぎないよう意識する
- ニュースはタイトルだけ確認する
HSPの特性を理解し、上手にメディアと付き合うことで、人間関係のストレスを和らげることができます。 自分に合ったペースでメディアに触れ、心の平穏を保つよう心がけましょう。
自分の感情と向き合う
HSPの人は感受性が高く、ネガティブな感情に流されやすい傾向があります。 自分の感情と向き合うためには、以下の3ステップを実践することをおすすめします。
今の感情に名前をつけ、客観的に把握する。
例)イライラしている、疲れている、寂しい、緊張している など
感情が生まれた理由を見つける。
例)上司のひとことが引っかかっている、締め切りが近い など
リラックス法や相談など、自分なりの対処法を身につける。
感情と向き合い、上手にコントロールすることで、穏やかな日々を過ごせるようになるでしょう。
セルフケアを大切にする
HSPの人は、自分に厳しく、頑張りすぎてしまう傾向があります。そのため、セルフケアがおざなりになりがちです。しかし、セルフケアをすることで、自分のパフォーマンスが向上し、周りの人間関係にもよい影響を与えられます。
特に、心に余裕がない時は、周りへの気遣いや敏感さが辛く感じられます。そんな時こそ、自分がリラックスできるセルフケアに取り組みましょう。HSPの人におすすめのリラックス法は以下の通りです。
- 自然を感じる(水辺や夕日、星空を眺める、裸足で草の上を歩くなど)
- 一人の時間を自由に過ごす
- ペットと過ごす
- 楽しめる程度の運動をする(ヨガ、ジョギングなど)
HSPの特性とうまく付き合いながら、あなたらしい毎日を送りましょう。
HSPの強みを活かすには?
HSPの感受性の高さは、創造性を発揮する上で大きな強みとなります。以下のような場面では、HSPの強みを活かすことができるでしょう。
- 感受性の高さを創造性に活用する
- 共感力を対人関係に活かす
- 観察眼の鋭さを仕事に役立てる
それぞれのポイントを詳しく解説します。
感受性の高さを創造性に活用する
HSPの感受性の高さは、デザイナーや作家、音楽家など、クリエイティブな仕事で強みになります。周囲の些細な変化からインスピレーションを得て、独創的なアイデアを生み出せるからです。
ただし、感受性の高さからストレスも感じやすいため、無理のない範囲で自分のペースを大切にしましょう。HSPの感性は才能です。それを活かして、クリエイティブな分野で自分らしく輝ける場所を見つけていきましょう。
共感力を対人関係に活かす
HSPの共感力の高さを活かせば、友人の悩みに寄り添ったり、部下の不安を察知してサポートしたり、顧客満足度の高いサービス提供ができます。共感力は、相手との信頼関係を築く上で重要な能力です。HSPがもつ共感力を対人関係にうまく活用することで、周囲から信頼され、人間関係を円滑にできるでしょう。
共感力は信頼関係の構築に重要な能力ですが、相手の感情に巻き込まれすぎないよう適度な距離感も大切です。HSPの特性とうまく付き合いながら、共感力を人間関係の潤滑油として活用していくのがおすすめです。
観察眼の鋭さを仕事に役立てる
HSPの研ぎ澄まされた五感は、仕事での強みになります。微妙な変化を敏感に察知し、相手のニーズを的確に捉えられるからです。
HSPの感覚の容量は、非HSPの100倍から1000倍と考える心療内科の先生もいます。このような感性の持ち主は、他にない価値を生み出せます。誰もが気づかない小さな変化を見逃さない観察眼は、専門性の高い仕事で力を発揮できるHSPならではの武器となるでしょう。
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まとめ
HSPの人は感受性や共感力が高く刺激に敏感なため、他人の感情に引っ張られやすく人間関係で疲れやすいという特徴があります。こうした特性から疲れを軽減するには、一人の時間を確保したり相手との距離感を保ったりすることが有効です。
一方でHSPの特性は、創造性や対人関係に活かせる強みでもあります。HSPの特性を理解し付き合っていくことが大切です。HSPかもしれないと感じたら専門家に相談し、自分に合った生活スタイルを見つけていきましょう。