うつ病・抑うつ状態からの復職基準
大阪府茨木市のみつだクリニックです。
うつ病・抑うつ状態などで休職した場合に、その後、治療効果もあり改善傾向に(おおよそ1−6ヶ月くらい)なり、
このあと職場復帰を目指していく流れになり、復帰ができるかどうかを判断をしていくことになりますが、
基準の例として、厚生労働省の手引きには
・労働者が十分な意欲を示している
・通勤時間帯に一人で安全に通勤ができる
・決まった勤務日、時間に就労が継続して可能である
・業務に必要な作業ができる・作業による疲労が翌日までに十分回復する
・適切な睡眠覚醒リズムが整っている、昼間に眠気がない・業務遂行に必要な注意力・集中力が回復しているなど
と記載されています。
上記項目を意識しながら、当院での「生活ダイアリー」に普段の生活を記載しておき、職場での面談の際には提示しながら状況説明をするのが良いでしょう。
就寝時間、起床時間、中途覚醒の有無→睡眠状態(=疲労回復ぐあい)の評価
日中の行動(散歩や読書など)の内容→業務に必要な体力や集中力の回復具合の確認
・集中力に関しては活字の読書が一定時間(一時間以上)集中してできること、体力についてはウオーキングが一時間以上できること。
これを一日の午前午後のなかで両方できていることが望ましく、おそらく現在いろんな事業所での判断の目安になっていると思います。
またアニメや動画、テレビ鑑賞なども気分転換行動として適度には行っていることが望ましいと考えます。
・悩ましいのは対人関係が大きな問題となっている時には、
・コミュニケーション能力の回復(※極端な被害感や他罰的感情を見直し自分の心境を内省できていること。自分がどういう人間であるか、どのような行動様式をとりやすい性格傾向か等を客観的に把握できていること)
・自分の体力、能力の限界を把握しており、そして疲労後の回復にかかる時間を見込むことができており、その上で余裕のある計画を立てて無理のない行動範囲を見込むことができること。そしてそれらを、職場で関わる仲間に伝えることができて周囲とうまく協議して業務を進めていけること。
こういったことを個別に判断して復職の可否の判断をしていきます。
2023.4.25.