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漢方で自律神経失調症は改善できる?症状別の対処法や選び方を解説

漢方と自律神経失調症_アイキャッチ

なんとなく気分が落ち込む、眠れない、めまいがする……そんな症状が続いていませんか?

病院で検査をしても「異常なし」と言われるけれど、確かに体調が優れない。このような心身の不調が続く場合は、自律神経失調症の可能性があります。

そして最近では、その改善法として「漢方薬」が注目されています。体質や症状に合わせて処方される漢方薬は、薬に頼りすぎずに根本から整えることができる選択肢のひとつです。

本記事では、自律神経失調症に効くとされる代表的な漢方薬や、選び方・注意点などを詳しくご紹介します。

自律神経失調症とは?

自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることにより、心や体に不調が現れる状態を指します。体温や血圧、内臓の働き、ホルモン分泌などを無意識に調整している自律神経が乱れることで、身体的な違和感や精神的な不安が生じるようになります。

代表的な症状としては、ふわふわとしためまいや頭痛、動悸、胃腸の不調、口の渇き、不安感などがあり、人によっては複数の症状が同時に起こることもあるでしょう。更年期や思春期などホルモンバランスが大きく変化する時期に悪化する傾向がある点も特徴です。

自律神経失調症の詳しい原因や症状については、下記の記事で詳しく解説しています。

自律神経失調症の症状とは?なりやすい人の特徴や治し方をチェック

漢方は自律神経失調症に効く?

自律神経失調症の改善には、単なる対症療法ではなく、体質から整えていく根本的なアプローチが求められます。

漢方薬は、気・血・水のバランスを調整することで、神経の過敏状態を落ち着かせ、不安やストレスによる身体の不調に働きかけるのが特徴です。

漢方医学では、自律神経の乱れを「肝」の不調や「気」の滞りと捉え、心身のバランスを整える処方が多く用いられます。

例えば、緊張や不安によって大量の汗をかく人には汗を抑える処方、ストレスで胃が痛くなる人には消化機能を整える処方、不安感とともに下痢や腹痛が続く人には腸の働きを安定させる処方がそれぞれ選ばれます。

自律神経失調症に効く代表的な漢方薬

自律神経失調症に効く代表的な漢方薬

自律神経失調症の改善には、体質や症状に応じて処方を選ぶことが大切です。ここでは、医療機関でもよく使われている代表的な漢方薬を紹介します。

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
  • 抑肝散(よくかんさん)
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
  • 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

それぞれの漢方薬の特徴を見ていきましょう。

加味逍遙散(かみしょうようさん)|ホルモンバランスを整える

加味逍遙散は、ストレスやホルモンバランスの乱れが影響するタイプの自律神経失調症に用いられる代表的な処方です。特に月経前のイライラや不安感、抑うつ傾向がある女性に対して処方されることが多く、更年期障害の緩和にも効果があるとされています。

この漢方薬は、気の巡りをよくしながら血の流れを整えることで、自律神経の働きを穏やかにし、心のバランスを整えてくれます。

ツムラやクラシエといった大手メーカーからも製品化されており、医療機関だけでなく市販薬としても入手可能です。

抑肝散(よくかんさん)|不安・イライラ・怒りっぽさに

抑肝散は、神経の高ぶりや情緒不安定が続く人に向けた処方で、現代では子どもから高齢者まで幅広く使われています。不安やイライラ、怒りっぽさが目立つときや、感情のコントロールがうまくいかないときに有効とされ、不眠症の改善にも使われることがあります。

もともとは小児の夜泣きや高齢者の認知症に伴う興奮状態を抑える目的で使われてきた薬ですが、自律神経の乱れによる精神的不調にも適しているとされ、心の興奮を静めたいときに効果を発揮します。継続的に服用することで、精神的な安定を感じられるケースもあります。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)|動悸・不眠・ふわふわめまいが気になる方に

柴胡加竜骨牡蛎湯は、自律神経の乱れによる動悸や不眠、焦燥感、ふわふわとしためまいが気になる方に向いている漢方薬です。精神的な緊張が続いて眠れない、心が常に落ち着かないといった不安定な状態を和らげる作用があります。

神経が過敏になっている状態に対して、心身の興奮を静める働きがあるため、不安障害やパニック症状のある方にも使われることがあります。

神経の高ぶりによって心拍や睡眠に影響が出ている方にとって、バランスを整える助けとなる処方です。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)|喉のつかえや不安感があるときに

半夏厚朴湯は、ストレスや緊張からくる喉の違和感やつかえ感、吐き気、不安感が強いタイプの自律神経失調症に用いられます。「喉に何か詰まっているようで飲み込みにくい」といった症状は、西洋医学では原因が見つからないことも多く、漢方薬の得意とする分野です。

気の巡りが滞ることで生じる身体の不快感や不安定な心の状態を整える目的で使われ、緊張型の神経症状にもよく処方されます。特に心因性の吐き気や息苦しさがある人には、早期に効果を感じることもあります。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)|血行不良や冷え性、月経トラブルのある方に

桂枝茯苓丸は、血の巡りが悪くなっている「瘀血(おけつ)」体質に対して処方される漢方薬です。冷え性で体がこわばりやすい、肩こりがひどい、月経痛が強いといった方に向いており、女性特有の不調があるときに多く用いられます。

自律神経失調症の中でも、血行不良に起因する不定愁訴に対して効果を発揮します。体の冷えを改善しながらホルモンバランスにも穏やかに働きかけるため、更年期に伴う症状のある方にも処方されることがあります。

漢方を服用する際の注意点

漢方薬は自然由来で副作用が少ないイメージがありますが、効果を正しく引き出すにはいくつかの注意点を押さえておくことが重要です。

  • 自己判断での長期服用は避ける
  • 副作用や体質との相性に注意する
  • ほかの薬との飲み合わせに気をつける
  • 食後・食前など服用タイミングを守る
  • 効果が出るまでに時間がかかる

本項目では、服用時に気をつけたいポイントについて解説します。

自己判断での長期服用は避ける

体質に合わない漢方薬を、なんとなく良さそうだからと自己判断で飲み続けてしまうと、不調がかえって悪化することがあります。漢方薬は本来、症状や体質、体力、冷えの有無などを総合的に見て処方されるものです。

特に、市販されている漢方薬は手軽に手に入る反面、自分に合っているかどうかを見極めるのが難しいという側面もあります。改善が見られないまま漫然と続けるのではなく、医師や薬剤師に相談しながら使用するのが安心です。

副作用や体質との相性に注意する

漢方薬は比較的穏やかな作用を持つとされていますが、副作用がまったくないわけではありません。例えば、胃腸が弱い方が刺激の強い処方を飲むと、吐き気や下痢などの症状が出ることがあります。また、甘草を含む処方では、むくみや血圧上昇といった副作用が現れるケースも報告されています。

さらに、同じ自律神経失調症の症状でも、人によって原因や体質が異なります。そのため、他人に効果があった漢方薬が自分にも合うとは限りません。初めて服用する漢方薬は、用法・用量を守りながら、体調の変化に注意して取り入れることが大切です。

ほかの薬との飲み合わせに気をつける

現在、病院から処方されている薬を服用している場合は、漢方薬との飲み合わせに注意が必要です。西洋薬と漢方薬は併用できるケースもありますが、成分の相互作用によっては、効果が強まりすぎたり、副作用が出やすくなったりすることもあります。

例えば、甘草(かんぞう)を含む漢方薬と利尿剤を併用すると、低カリウム血症を引き起こす可能性があります。また、精神安定剤や睡眠導入剤を使っている場合、漢方薬の鎮静作用と重なって眠気が強く出ることもあるため注意が必要です。自己判断での併用は避け、必ず医師や薬剤師に相談してから漢方薬を取り入れましょう。

食後・食前など服用タイミングを守る

漢方薬は、服用のタイミングによって効果の現れ方が変わることがあります。一般的に、漢方薬は空腹時の方が吸収が良いため「食間(食後2時間ほど)」に服用することが多いですが、処方によっては「食前」や「食後」を指定されている場合もあります。

特に自律神経失調症に処方される漢方薬は、胃腸の働きにも影響するものが多く、飲むタイミングを守ることで、より穏やかに効果を実感しやすくなります。用法を守らずに服用してしまうと、本来の効能が十分に得られないばかりか、副作用のリスクが高まる場合もあるため、注意が必要です。

効果が出るまでに時間がかかる

漢方薬は、痛みや熱などの急性症状を一時的に抑える西洋薬とは異なり、体質や自律神経の乱れを根本から改善していくアプローチです。そのため、効果を実感できるまでにはある程度の時間がかかります。

自律神経失調症のように、慢性的な不調に悩まされているケースでは、体の内側からゆっくりと変化していくため、数週間から数ヶ月ほど継続して服用する必要があります。焦らずに体調の変化を観察しながら取り入れていくことで、少しずつ心身が安定していくのを実感できるようになるでしょう。

漢方に関するよくある質問

漢方に関するよくある質問

自律神経失調症と漢方薬に関する情報は多くありますが、実際に漢方薬を試してみようとすると「自分に合うのか?」「どこで手に入れるべきか?」など、不安や疑問が湧いてくるものです。ここでは、よくある質問の中から特に多いテーマを取り上げて解説します。

子どもの自律神経失調症に使える漢方はある?

子どもでも自律神経が乱れることはあり、特に思春期の心身の変化に伴って不眠やめまい、イライラ、不安といった症状が現れることがあります。そうした場合に、体への負担が少ない漢方薬を選ぶ家庭も増えています。

実際に、抑肝散(よくかんさん)などは小児にも使用実績があり、子どもの情緒不安や神経の高ぶりを落ち着かせる目的で処方されることもあります。

ただし、大人と比べて体格や代謝が異なるため、処方や用量は必ず医師の判断に基づいて行う必要があるでしょう。市販薬ではなく、漢方薬に詳しい医療機関や薬局で相談することをおすすめします。

市販と処方の違いは?どちらを選べばいい?

漢方薬には、病院などで処方されるものと、ドラッグストアなどで手軽に購入できる市販薬の2種類があります。どちらも基本的な成分や効能は同じですが、大きな違いは「用量の細かさ」と「体質に合わせた調整」ができるかどうかです。

処方薬の場合、医師が診察を通してその人の体質や症状に合う漢方薬を選び、必要に応じて量や組み合わせを調整してくれます。一方、市販の漢方薬は、万人向けに作られているため、手軽に試せる反面、合わない場合に体に負担がかかることもあります。

初めて漢方薬を使う方や症状が長引いている方、自律神経失調症の中でも複数の不調が重なっている方は、処方漢方を選ぶ方が安心です。症状が軽く、体質に自信がある方は、市販薬から試してみるのも一つの方法ですが、使用中に違和感を覚えた場合はすぐに専門家に相談しましょう。

漢方は保険適用される?

漢方薬の中には、病院やクリニックで処方される「医療用漢方製剤」として保険適用されるものがあります。例えばツムラやクラシエといったメーカーが製造するエキス製剤は、医師の処方のもとであれば健康保険を使って受け取ることが可能です。保険が適用されることで、自己負担額が抑えられ、長期間の服用にも取り組みやすくなるでしょう。

ただし、漢方薬局などで自由診療として販売されている煎じ薬やオーダーメイドの漢方薬は、基本的に保険の対象外となります。

また、同じ漢方薬でも処方の目的や併用薬によって保険が使えないケースもあるため、事前に医師や薬剤師に確認しておくと安心です。

聴覚過敏や口の渇きにも効く漢方はある?

自律神経失調症の症状の一部として、音に敏感になってしまう「聴覚過敏」や、緊張時に唾液が減ってしまう「口の渇き」などを訴える方もいます。こうした症状に対しても、体質や症状に合った漢方薬で対応できる場合があります。

例えば、ストレスによる神経の高ぶりや不安感が原因で聴覚過敏が起きている場合には、抑肝散(よくかんさん)や柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)などの漢方が処方されることがあるでしょう。また、口の渇きが強い場合には、陰虚(体の潤い不足)の状態と捉えて、滋陰作用のある漢方薬が使われることもあります。

いずれの症状も、西洋医学でははっきりとした治療法が見つからないケースが多いため、漢方薬による体質改善を試す価値は十分にあるでしょう。ただし、症状が重い・長引いている場合には、必ず医師の診断を受けた上で漢方薬の使用を検討してください。

妊娠中も漢方は使えるの?

妊娠中はホルモンバランスの変化や自律神経の乱れにより、不眠や吐き気、イライラ、不安感などさまざまな症状が現れやすい時期です。そのような不調に対して「できるだけ薬に頼りたくない」と考える方も多く、漢方薬を検討されるケースが増えています。

実際に、妊婦さんにも処方されることのある漢方薬は存在します。ただし、すべての漢方薬が安全というわけではなく、中には子宮収縮作用を持つ成分が含まれているものもあるため、必ず産婦人科医や漢方薬に詳しい医師の診察を受けた上で、安全性が確認された処方を選ぶことが大切です。

自律神経失調症の漢方治療は「体質に合った処方」がカギ

自律神経失調症の症状は人によって異なり、「これが効く」という決まった漢方薬が存在するわけではありません。漢方薬治療の最大の特長は、個々の体質や症状の背景を見極め、それに応じて最適な処方を選ぶという点にあります。

しかしながら、漢方薬の知識がないまま自己判断で市販薬を選んでしまうと、体質に合わないものを長期間服用してしまい、かえって症状が悪化する可能性もあります。特に、自律神経の不調は心と体のバランスが関係しているため、専門的な視点での診断と処方が欠かせません。

症状が長引いていたり、複数の不調が重なっていたりする場合は、漢方薬に詳しい医師のいる医療機関や、漢方薬局での相談をおすすめします。自分の体質にぴったり合った処方を見つけることが、改善への第一歩となるでしょう。

自律神経失調症にお悩みの方はみつだクリニックにご相談ください

みつだクリニック

漢方薬による自律神経失調症の治療に興味がある方、これまでさまざまな方法を試しても改善が見られなかった方は、ぜひ一度みつだクリニックへご相談ください。

当院では、一人ひとりの体質や症状に合わせた丁寧な診察を行い、最適な処方をご提案いたします。初めて漢方薬を試す方や、市販薬で効果が感じられなかった方も安心してご相談ください。

西洋医学と漢方薬の両面からアプローチすることで、薬に頼りすぎずに心と体のバランスを整えられるようサポートをいたします。

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まとめ

自律神経失調症は、ストレスや生活習慣、ホルモンバランスなどさまざまな要因が関係しており、症状の現れ方も人によって大きく異なります。漢方薬はその多様な症状に対し、体質から整えていくという特長を持つため、根本的な改善を目指す方にとって有力な選択肢となり得るでしょう。

ただし、効果をしっかり実感するためには、自分の体質に合った漢方薬を見極めることが重要です。市販薬を自己判断で使うのではなく、専門家のアドバイスを受けながら進めることで、より安心かつ効果的な治療が期待できます。

自律神経の乱れに悩んでいる方は、ぜひ一度専門の医師に相談し、自分に合った漢方薬治療を見つけてみてください。

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